こんにちは。生涯学習支援カルチャースクール『エデュカーレ』代表の白石です。
今回は子どもの空間把握能力の重要性についての情報を発信していければと思います。
空間把握能力という言葉は今ではいろいろなところで耳にします。特にスポーツの世界では様々な競技で非常に重要だとされています。
この空間把握能力が、幼児の成長にどのように関わりがあるのかを、
そもそも空間把握能力とはなんなのか、空間把握能力が育つとどのようなメリットがあるのか、エデュカーレで実践している家でもできる空間把握能力を育てる遊び、という三つの観点から説明していきたいと思います。
目次
1.空間把握能力とは何なのか?
空間把握能力とは、自分にとっての前後の関係、上下の関係、左右関係という、三つの関係軸の中で自分とそれ以外の距離、方向を、知覚する力のことです。
分かりやすく言えば、自分が目で見ている部分以外にも、自分の周りのことをなんとなく把握するための力、でしょうか。
おもにスポーツ界では、この空間把握能力をもつ選手で優秀な選手が多いです。
サッカーなどのフィールドスポーツにおいて、味方にパスを送るのが得意な選手の多くは、この空間把握能力が優れており、自分の立っているフィールドを俯瞰するような感覚で、味方や敵の位置を把握できるそうです。
では、スポーツをやらなければこういった空間把握能力を伸ばす必要がないのかというと、そうとも言えません。
空間把握能力を子どものうちに伸ばすことは、実は知能の成長に非常に大きく関わっているのです。
どういう事かというと、赤ちゃんのうちは、まだまだ空間の認識が上手にできません。それが成長していく中で、平面的な、漠然とした形の捉え方から、徐々に直線や曲線の区別をし、形状の違いを認識していくことで、段々と自分の周りがどんな世界なのかを知覚できるようになります。
こうした段階を経ることで、自分と物との関係だけではなく、自分と他者との関係や、自分と社会との関係について思いを巡らせることにも繋がります。
このように、脳の成長が著しい3歳~8歳までの時期にこういった空間の認識が出来るようになってくると、知的世界を一気に広げてくれます。
2.空間把握能力が育つメリット
空間把握能力が育つと、自分のことだけを知覚していた世界から、自分の周りの世界とつながることができるようになり、一気に見える世界が変わっていきます。
視野が広がり、今まで気づかなかったことにも気づけるようになる可能性が高くなっていきます。
それが好奇心につながり、何かをやりたいという子供の自我の目覚めにも繋がっていくと考えており、これが空間把握能力を伸ばすメリットではないかと考えています。
よくぼーっとしていて、あまり積極的に行動せず、何に対しても受動的なお子様もいらっしゃるかと思います。
そういった子はもしかしたら、赤ちゃんのようにまだ空間の認識が上手にできず、世界がぼんやりと見えているのかもしれません。
もし、そういったお子様が近くにいましたら、次に紹介するような空間把握を伸ばす遊びを実践してみてはいかがでしょうか。
3.エデュカーレで実践している家でもできる空間把握能力を育てる遊び
<折り紙>
折り紙は指先能力を伸ばすのにも非常によい教材ですが、折り方が非常に多彩なため、それを理解するためにも空間把握能力も非常に鍛えられます。親子で一緒に協力しながら作ることもできますので、非常におすすめです。
<お手玉>
空中にあるものをキャッチするというだけで幼い子には非常によい刺激となります。一個を放り投げて両手でキャッチしてもいいですし、慣れてきたら片手でキャッチするというような段階をつけてゲーム性を持たせてみると子どもも熱中して取り組めるかと思います。なかなか最初は、上手にキャッチできませんが、目で玉をよく見ることで、空間をしっかりと認識し始めると段々と取れるようになります。
4.さいごに
いかがだったでしょうか。子どもが自分以外のものを認識することで、段々と今まで漠然としていた自我がはっきりとしてきます。
私たちが提唱している「想像力」養成にも、この空間的な認識は非常に大切で、こういった認識ができるようになることで、より高度な想像が頭に描けるようになっていきます。
「想像力」に関しては、別の記事がありますので、もし興味がある方はぜひ読んでみてください。