こんにちは。生涯学習支援カルチャースクール『エデュカーレ』代表の白石です。
エデュカーレ幼児養成講座では、「想像力」と「創造力」というふたつのそうぞう力の養成を謳っています。
前回まで、イマジネーションの「想像力」についてお話をしてきましたが、今回はクリエティトの方の「創造力」に関して、エデュカーレが考える「創造力」とは何か、それを養う意味、養わないとどんな影響があるのかについて話していければと思います。
目次
1.創造力とは?
エデュカーレが考える「創造力」とは、まさに辞書的な意味の創造力そのままで、新しいものをつくりだす能力。解答が1つだけではないような課題に対して、自分なりの答えを導き出す能力のことだと思っています。
この「創造力」に関して、最近では文部科学省も重要視しており、2021年に実施される大学共通テストを皮切りに、これからの学習指導に大きく影響を与えるだろう高大接続改革においても、「思考力・判断力・表現力」という表現で、この「創造力」を大きな要素として挙げています。
それに伴い、民間事業でも色々な面で、この創造力養成を目的とした新しいコンテンツが近年広まってきており、今後この流れはますます加速していくだろうと思います。
問題は、どうやってこの「創造力」を養成していくのかという、方法論が一番の問題かと思います。
エデュカーレでは、創造力養成に関して、以下の三つの基準点を持ってカリキュラムを設定しています。
1.教授ではなく、「遊び」の中で身に着けていく
2.可塑性のある遊びを行っていく
3.何を遊ぶかは子どもに選択してもらう
1.に関して、私は非常に大事なことだと考えています。
どうしても、大人が何か子どもに接するときは、何かを教えよう、与えよう、という教授の気持ちが働くことが多いです。こういった環境が出来上がってしまうと、子どもは大人の顔色を窺い、大人は自分の都合を優先しようと、無意識に動いてしまいます。
創造力養成に必要な環境とはこういった空気感が漂う空間ではなく、もっと何をやっても許される、という緩い空気感というのがとても大切だと考えています。
子どもは「え?何やってもいいの?」と思った瞬間にいたずら心や遊び心が芽生えて色々試行錯誤しはじめると私は考えています。
この緩い空気感というのを作っていくためにも、遊びの時間を設け、クリエイティトの創造力を養成する、こういう理由で遊びという言葉を使っています。
2.に関して、「可塑性」という言葉に聞きなじみが無い方も多いかと思いますので、辞書的な意味から説明しますと、「可塑性」とは、固体に外力を加えて変形させ、力を取り去ってももとに戻らない性質のことです。
つまり、自分が思ったものに「変形しやすい」、「何度でも繰り返せる」、「思った通りに自由にできる」素材で遊ぶことを可塑性のある遊びと私たちは呼んでいます。
自分で自在に形作れるという時点で、創造力養成にもってこいの素材ではあるのですが、それだけではなく、現在の子どもが、この可塑性のある遊びにあまり触れずに幼児期を過ごすことが近年出てきているという事情もあり、この可塑性のある遊びを多く講座の中で扱っています。
現代の世の中は、非常に豊かになり、「遊び」に関してもあらゆるものが子ども達のために用意されています。ゲームやテレビ、Youtubeなどですね。
ただ、そういったものはもう出来上がったものであり、子どもの工夫や独創性が介在する余地がほとんどありません。
例えば、以前小学校2年生を教えてた時に、残念だなと感じたことは、科学的分野のYoutubeを見たあとで、
「先生、Youtubeにこういうのがのってたんだ。僕わかっちゃったんだ。Youtubeみたらなんでもわかっちゃうんだよ」
という風に言ってきたことがありました。
確かにYoutubeもネットのweb検索も非常に便利なのですが、その情報が本当かどうかという批判的な視点でまだ考えられない、小学校低学年には過刺激なものだと感じています。ゲームやテレビなどもそうですね。
つまり、小さいころにそういったものに触れてしまうと、それが唯一無二の答になってしまって、思考停止になりがちになる、という点と、刺激が強すぎて、例えば、外で虫をとったり、公園で遊んだりするよりも、もうゲームやテレビがあればいいや、という風になってしまうという二つの点を踏まえて、そういったコンテンツは小学校5,6年生までは親と一緒の時だけ、などのルールを決めてやるといいのではないかと個人的には思います。
3は、遊びである時点で、やりたくないものを無理やりやらせる意味がありません。だから、自分がその時にやりたいものを自分の意志で発話する機会を作るという意味で重要であると考えています。
ただ、最初は何がしたいのか、よくわからないという子が大半で、そういった子にこんな遊びがあるよ、あんな遊びがあるよと紹介して、子どもに「あ、ぼくはこんな遊びが好きなんだな」と気づいてもらうまでが私たちの仕事だと考えています。
2.なぜ幼年期に創造力を磨かなくてはいけないのか?
創造力をなぜ幼年期に磨かなくてはいけないかというと、幼年期こそがまさに創造力を磨く絶好のタイミングに他ならないからです。
年齢を重ねるにつれ、人は自由な発想をしにくい環境が整っていってしまいます。
コミュニティのルール、社会のルール、人間関係などについて学んでいくことで、人は段々とそこから外れないように物事を考える習慣が身についていきます。
そのことが駄目というわけではなく、そういったものに縛られない幼年期だけでも自由な発想をもって、試行錯誤しながら生活しておかないと、年齢が上がってから自由に考えてみろと言われてもなかなかそんな風には考えられないのではないかと思います。
まして、脳の成長が著しいこの時期にこそ、正解のない、自分なりに考えるような経験をしていくことは、非常に良い影響を子どもたちにもたらすと、私は考えているので、自分が指導する子にはこういった経験をぜひさせてあげたいと思い、こういったカリキュラムを提供しています。
3.さいごに
いかがだったでしょうか。今教育業界は、この創造力養成に関して踏み出したばかりで、何が正解かもまったく分からず、色々なサービスが乱立しているような状況です。
そういった中で、少しでもお子様にあったサービスを選ぶ際の基準に今回の話を参考にしていただけると幸いです。
また、今回の話に共感いただけた際は、ぜひ一度お問い合わせいただけるとさらに詳細な内容を共有できるのではないかと思いますので、ご連絡お待ちしております。